ネットショップ運営における一元管理の意味とは?
ネットショップ・ECサイトにおける「一元管理」が現在注目されています。ですが「一元管理」というものに興味はあるけれど、どういったものなのかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では「一元管理の意味」「一元管理システムを導入することによるメリット・デメリット」について詳しくお伝えいたします。
一元管理とはどのような意味?
一元管理とは「データや情報を一箇所にまとめ、管理方法を統一すること」を指しています。一般的には、ヒト・モノ・金・情報という4つの経営資源が一元管理の対象になります。これらの経営資源を一箇所にまとめて管理することで、従業員たちの情報収集や意思決定などの労力を削減することができます。一元管理システムを導入することで、今ある資源の量や状態を把握しやすくなるため「資源を増やしすぎる」「資源を減らしすぎる」といった事態を防ぐことにもつながります。
また、とくに「ネットショップ・ECサイトなどにおける一元管理」は、複数運営しているショップの受注・在庫・商品管理などの情報をまとめて管理することを指しています。運営するネットショップ・ECサイトをすべて同じ管理画面で管理・処理できれば、バックヤードの作業工数を減らすことができるため、業務の簡略化や在庫管理のミス防止などに効果的です。そのため、最近は多くのネットショップ・ECサイトがなんらかの一元管理システムを利用しています。
ネットショップ運営における一元管理システム導入のメリット
ネットショップを運営する際に、一元管理システムを導入するメリットは3つあります。まず1つ目は「データや情報をまとめて管理することで、工数を削減できる」というものです。複数のネットショップをひとつの画面で管理することができれば、確認しなければならないサイトの数が減り、従業員たちの工数の削減が可能です。
もし複数のサイトを一元管理していない場合「それぞれのサイトを別々に確認しなければならない」という状態になります。ショップごとにサイトの画面を切り替えるというのは非常に大きな手間になるため、トータルで見るとかなりの時間と労力を無駄にしてしまいます。
一元管理システムを導入することで、ネットショップの管理画面切り替えという手間がなくなり、以前よりもスムーズに受注・在庫・商品管理を行うことができます。また、そうすることで浮いた時間を別の業務に充てることで、全体の生産性の向上にもつながります。
2つ目のメリットは「サイトでの在庫管理が容易になる」というものです。複数のネットショップを一括で管理できれば、全体の在庫管理を簡単に行うことができます。そうすることで見落としも減り、品切れを防ぎやすくなるため、売上のチャンスを逃すことも減ります。
もし一元管理していなければ、在庫管理のために複数のショップサイトを別々に確認し、注文状況や在庫をチェックしたうえで、発注などの調整をかける必要がありますが、一元管理システムを導入することでその手間をなくすことができます。複数サイトを個別で確認すると、必然的に見落としや数え間違いも多くなりますが、そういった問題を改善することが可能です。
最後の3つ目のメリットは「ネットショップ・ECサイト関係者全体で、簡単に情報共有ができる」というものです。ネットショップ・ECサイトによって担当する管理者が違う場合でも、それらの複数ショップを一元管理していれば、関係者がすべてのショップ情報を簡単に把握できます。
別ショップ・別サイトの関係者同士であっても、更新された最新情報を簡単に共有できるため、スタッフ間でのコミュニケーションがスムーズになります。また、関係者全体に配置異動や重要情報の連絡などをする場合にも、この一元管理システムを通して行うことができるというメリットもあります。これらのように、一元管理システムの導入には多くのメリットがあります。
ネットショップ運営における一元管理システム導入のデメリット
一方で、ネットショップ運営において一元管理システムを導入することにはデメリットもあります。以下で、主な3つのデメリットをお伝えいたします。
まず1つ目のデメリットは「一元管理システムを導入する際に経済的・時間的コストがかかる」というものです。まず、一元管理システムを活用するためには、システムやサービスを導入する必要があります。そして、もちろんシステムを導入する際にはコストが発生します。
この「コスト」は費用的なものだけでなく、導入自体の手間や、従業員たちが一元管理システムに慣れるまでに要する時間なども含まれています。ですので「繁忙期を避けて一元管理システムを導入する」「スタッフたちのITリテラシーがある程度整ってから導入する」など、うまくタイミングを見て導入しないと、スタッフたちの大きな負担となってしまう恐れがあるので、その点に注意が必要です。
次に2つ目のデメリットとして「担当者たちのセキュリティ意識を高める必要がある」というものが挙げられます。一元管理システムを導入すると、ネットショップ・ECサイトを管理している担当者たちが担当サイト以外のデータや情報を見ることができるようになります。
そうすると「顧客に漏らしてはいけない情報がどこかの担当者から漏れる」という可能性が、一元管理システム導入前より高くなってしまいます。そのため、ネットショップ・ECサイト担当者たち全員が、セキュリティ・情報管理に対する意識をより一層高めることが必要です。
一般に、情報漏えいは人的ミスによるものがほとんどと言われています。一元管理システムによって、データや情報を簡単に管理できるようになるからこそ、管理者・担当者一人ひとりがセキュリティ・情報管理への意識を高めなければなりません。ITリテラシーや情報セキュリティに関する研修の場を設けるなどの対応をおすすめいたします。
最後の3つ目のデメリットは「一元管理を導入することで、システム管理が難しくなったように感じる可能性がある」ということです。一元管理システムは、データや情報を管理しやすくするために導入するシステムですが、場合によっては管理業務がより複雑になったと感じる場合もあります。
どういった場合にそう感じるようになるかというと「スタッフたちが一元管理システムに慣れることができていない」場合です。一元管理システムという、これまでに使用していたものとは異なるシステムになかなか慣れることができず「一元管理を導入した結果、むしろ業務効率が下がってしまった」という本末転倒な事態に陥ることも考えられます。
ネットショップ・ECサイトの担当者たちが「一元管理システムに慣れることができそうか」をあらかじめ確認しておくとともに「一元管理システムの使用法を説明する場をしっかりと設けること」で、このデメリットを避けることができるでしょう。
ここまで、ネットショップの一元管理システムについて「一元管理とはどのような意味か」「ネットショップ運営における一元管理システム導入のメリット」「一元管理システム導入のデメリット」をお伝えしてきました。ネットショップにおける一元管理システムは、うまく使うことができれば、工数削減、生産性向上に役立つ力強いツールとなります。一元管理でできることを知った上で、導入を検討してみることをおすすめいたします。