一元管理システムを導入するべきショップの特徴とは?
ECサイト運営者であれば、管理システムを選ぶ際に、一元管理システムにするか在庫管理システムにするか悩むことがあるのではないでしょうか。一元管理システムは機能が多い反面、コストが高くなります。一方で在庫管理システムは機能が少ない分、コストを抑えられます。ここでは、それぞれのより具体的な特徴と選び方をお伝えします。
一元管理システムの特徴
まず、一元管理システムには主に3つの特徴があります。
1つ目の特徴は、商品登録・受注管理・在庫連動など幅広い機能があるということです。一元管理システムはネットショップ運営の業務に沿って、商品登録から受注管理、在庫連動まで広範囲の業務に対応することが可能です。1つのシステム内で一連の流れを管理できるため、いくつものツールを利用しなくてもいい点が非常に大きなメリットになります。また、一箇所で情報を共有することができるため、各担当者を分けなくても、スタッフ全員が業務内容を把握しやすい、ということもメリットです。
2つ目の特徴は注文件数に応じた従量課金制が多いという点です。コスト面について、一元管理システムは注文件数に応じた従量課金制が多いという特徴が挙げられます。従量課金制だと、注文数が少なければコストは抑えられますが、注文数が多くなればコストがかさみます。月々の支払いが定額ではなく、その時の売れ行きに比例する場合が多いので、売上が上がるにつれショップ全体の利益を圧迫してしまう可能性もあります。
3つ目の特徴は、在庫反映に時間がかかることです。一元管理システムは在庫管理システムに比べて、在庫反映に時間がかかるということが特徴のひとつとして挙げられます。在庫数が少なかったり、短期間で売れる商品は、在庫反映に時間がかかると、現状を正確に把握できず売り越しが起きやすくなります。とくに巣ごもり需要が高まる長期連休の時期にショップも休みとなれば、事前にしっかりと注意しておかなければなりません。
このように、一元管理システムは機能面において優れた部分がある一方で、いくつか注意しておくべき特徴があります。一元管理システムか在庫管理システムを導入する際には、あなたのショップが必要としている機能を見極めて、適切な方を選ぶ必要があります。
一元管理システムを導入するべきショップとは?
ここからは、一元管理システムを導入するべきショップに見られる特徴を3つお伝えします。
まず1つ目の特徴は、新商品の登録が頻繁で時間が足りない場合です。在庫数が多く、常に新商品の販売をしているようなショップの場合は、在庫を個別にひとつひとつ確認していては、在庫連動や商品登録が追い付かなくなります。2つ以上の業務に時間を取られすぎているなら、一元管理システムを利用して全体を管理するほうが効率的といえるでしょう。
2つ目の特徴は、各運営サイトすべての注文件数が多い場合です。複数店舗・多店舗運営をしている場合において、たとえば、主サイトの売上が90%ではなく、各サイトの売上が均等にばらけている場合も、一元管理システムが向いていると言うことができます。注文件数が増えると、受注管理や在庫連動の業務が増えてくるので、早めに一元管理システムを導入しておくことをおすすめします。
3つ目の特徴は、在庫管理以外のバックオフィス業務時間が長いショップの場合です。在庫管理だけでなく、実店舗との連携やその他のバックオフィス系業務と仕事を兼務している場合は、それぞれを別々に管理するのではなく一元管理システムで一括して管理することで、業務の効率化をはかることができるでしょう。在庫管理に特化したシステムだと、在庫管理以外の部分は自動的に集計・管理してもらうことができないからです。在庫管理以外の業務に時間を多く割いてしまっている場合は、一元管理システムを使うことで労力と時間の削減をすることができるでしょう。
ここでお伝えした特徴に当てはまるショップは、一元管理システムを使用することで業務の効率化をはかることができるでしょう。ただ、もし現在も出店モールやカートシステムに同じような管理機能があって利用している場合には、さらにシステムを導入してしまうと二重でコストがかかってしまうことになるかもしれません。その場合は、現在使っているものと導入を検討しているものを比較検討し、乗り換えすることも視野に見直しを行なうことをおすすめします。
一元管理システムより在庫管理システムの方がおすすめのショップ
次に、一元管理システムより在庫管理システムの方がおすすめのショップについて、特徴を3つお伝えします。
まず1つ目の特徴は、一元管理システムを使いこなせていない場合です。ショップによっては、必要としている機能的に本来は在庫管理システムでいいはずなのに、一元管理システムを導入してしまっていることがあります。単純に在庫管理に特化したシステムを知らなかったり、他のサービスを検討せずに一元管理システムを利用していたりするケースです。
一元管理システムのすべての機能を利用していない、または明らかに使いこなせなかったりする場合は、在庫管理システムへの乗り換えを検討することをおすすめします。在庫管理に特化したシステムであれば、不要な機能を覚える必要もなくシンプルに操作することができ、誰でも分かりやすくスムーズに使えるようになります。そうすることで、新しいスタッフが入ってきたときなどに、システムの説明をする時間を削減することができるでしょう。
2つ目の特徴は、低コストで在庫管理のみを行いたい場合です。一元管理システムの場合は、利用しない機能があったとしても、その機能分も含んだコストを支払わなくてはなりません。もし在庫管理の機能しか必要ない場合は、在庫管理システムの使用がおすすめです。在庫管理に特化したシステムであれば低価格でコストを抑えられ、必要な機能を追加したとしても一元管理システムより安く済みます。コストが利益や売上を圧迫することなく、かつ従量課金制ということもないため、月々の支払いも定額で、導入しやすいといえるでしょう。
3つ目の特徴は、在庫数の反映が遅く、売り越しが発生してしまっている場合です。一元管理システムは機能が多い分、在庫反映に時間がかかり、売り越しが発生してしまうことがあります。売り越しは、ショップ側の不手際となってしまうため、ユーザーの信頼感を損ねてしまい、将来的な顧客まで失ってしまうリスクがあります。その点、ネットショップ運営に特化した在庫管理システムであれば、各種モールやカートシステムとの連携・連動機能を備えているため、素早く在庫数の反映を行なってくれ、売り越しが発生するリスクを確実に減らすことができます。
以上のように、対応しなければならない業務の範囲に合わせて、あなたのショップに必要な機能を見極め、一元管理システムにするか在庫管理システムにするかを選択していく必要があります。在庫管理のみで問題ないのか、それとも一連の作業を自動化する一元管理があった方が便利なのか、システム導入によって対応しなければならない業務の範囲によって必要なシステムは変わってきます。
今回は「一元管理システムの特徴」「一元管理システムを導入するべきショップ」「一元管理システムより在庫管理システムの方がおすすめのショップ」についてお伝えいたしました。一元管理システム、在庫管理システムどちらにも、メリット・デメリットがあります。あなたのショップ運営に適切に役立つのはどちらか、しっかりと見極めた上で導入を検討してみてください。